医療ビッグデータ企業の過去・現在・未来
昨日ポストした医療ビッグデータ企業M&Aの記事の熱量が後を引いています…。チュートリアルの完成を急がなくてはならないのですが、
日本で企業が活用できる医療ビッグデータは、日本薬剤疫学会の健康・医療情報データベース活用委員会が毎年更新している「日本で薬剤疫学研究に利用可能なデータベース」で知ることができます。
なお、「日本で薬剤疫学研究に利用可能なデータベース」の分類は、下記の3つに分かれていますが、これは、データ収集元で分類しています。
例えば、「保険者ベース」は健康保険組合から、「医療機関ベース」は医療機関、「保険薬局ベース」は調剤薬局からデータの提供を受けています。
さて、最新のもので、昨日ポストしたJMDC、メディカル・データ・ビジョン等の医療ビッグデータ企業のデータベースを見てみましょう。
1.保険者ベース
総登録者数ではJMDCが1位で、1,400万人。しかも、データ期間が2005年からと断トツで長期で、8年以上追跡可能な患者数が135万人と明記されていることから、データの質が良いことが推察されます。
2.医療機関ベース
総登録者数では、MDVが1位で、4,042万人。JMDCは4位で1,700万人ですが、2,440万人の2位のリアルワールドデータ株式会社は2022年7月にJMDCの子会社になったので、単純に合計するとJMDCグループが1位になります。
3.保険薬局ベース
総登録者数では、1位が外資の製薬企業サポート企業IQVIAで、9,078万人。JMDCは4位で1,700万人と大分水をあけられているようです。
これは、医療ビッグデータ(「リアルワールドデータ/RWD」とも言います)の登場が、先ずは、保険者ベースのデータでJMDC、次いで保険薬局ベースのデータでJMIRI(現インテージグループ)、IMS(現IQVIA)、なかなかデータが集まらなくて普及に時間がかかりましたが、病院のDPCデータでメディカル・データ・ビジョンが登場したという歴史的背景が、未だに影響していると思います。下図を参照してください。
データビジネスは、収集に時間やコストがかかるため、参入する企業が限られます。また、一度参入した企業は、初期投資を回収するために自分の強みを活かさなくてはならないので、顧客(この場合は製薬企業)にベンダーロックを仕掛けます。
これが、データごとに不動のポジションを長く保っていられる原因だと思います。
また、健康保険組合、医療機関、調剤薬局というデータ提供先が、自分の持つデータの価値に気づき、単なるデータ提供先から、ビジネスパートナーに躍り出てくる可能性を秘めていると感じます。
昨日も書きましたが、データ思考を身に付け、想像もつかないようなアイディアの実現に向けて活躍する時代の始まりです。
#JMDC #MDV #IQVIA #SBI #NTT #オムロン
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